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【中国輸入ビジネス 入門】青島港の構成1

【中国輸入ビジネス 入門】青島港の構成1

青島港は、中国の山東省にある世界的な貿易港です。

世界のコンテナ主要港はコンテナターミナルの自動化を進めていますが、2017年に中国は、青島と上海に2つの自動化コンテナターミナルを建設しました。しかも24000TEU積の大型コンテナ船も寄港できる港です。

青島市から膠州湾を挟んで対岸に立地する青島経済技術開発区までは、青島膠州湾大橋と膠州湾トンネルを使えば、わずかな時間で移動できます。

煙台経済技術開発区のある煙台への移動も車で約3時間という地理的に便利な条件を揃えています。また大連には、貨物鉄道船が就航し利便性が増しています。

近代的な装備を備えた青島港は、世界の中心的な港になりつつあります。成長を続ける青島港について、以下に分かりやすくご紹介いたします。

第1章        青島港の構成 

【青島港の位置と構成】

青島港は、山東省の山東半島の南側にある膠州湾の天然の良港です。

主要貨物は、石炭、原油、鉄鋼、穀物などです。原油の積卸しが国内第一位の港です。山東省は大きな物流を持つ港として、青島と並んで煙台、日照、威海などがあります。2011年に煙台港、日照港、威海港の山東省の3つの港湾は、韓国の釜山港との戦略的提携を行っています。

青島港の4大港区
青島港の構成は、青島旧港区、黄島油港区、前湾新港区、董家口港区などの4大港区で構成されています。

市街地に近い北東側の旧港地区(老港)では、主にバルク、内航貨物、旅客船バースなどがあります。西方の対岸にある黄島・前湾地区では、コンテナターミナルや鉄鉱石、石炭、原油バースなどがあります。董家口港区は主にばら積み貨物の輸出入に利用されています。この董家口港区には、新たに世界最大級の40万トンクラスの鉱石バース(長さ510メートル、水深25メートル、年間取扱量は2500万トン)が、2010年に完成しています。その他には30万トン級の原油バースと2つの20万トン級の石炭バースが新設されています。

青島港では、従来、老港区第8突堤にコンテナバースが整備され、1984年以来、青島港のコンテナ輸送を担ってきました。しかし、貨物の量が増え、従来のコンテナバースでは手狭になってきました。そこで、青島経済技術開発区としての前湾地区に新しいコンテナターミナルの建設計画が生まれ、1990年代に建設を行いました。

ところが、1997年に起きたアジア通貨危機や韓国企業の撤退や膠州湾をバイパスする跨海大橋(ベイブリッジ)の建設が遅れたことなどから、市街地から前湾への移転が何度となく遅れました。ようやく2002年から、青島港務局は、航路ごとに順次、前湾にあるコンテナターミナルにシフトすることができるようになりました。

青島市の朝

2011年には、跨海大橋(ベイブリッジ)が完成し、また、青島市の中心部から黄島地区の東西を結ぶ世界最長の青島膠州湾大橋(全長36.48キロメートル)、そして中国最長の海底トンネルである膠州湾トンネル(全長9.47キロメートル)が完成しました。これにより、東西間の往来がスムーズになり、時間の大幅な短縮にもなりました。

しかし、世界のコンテナ船の大型化にともない、従来の前湾地区の既存コンテナバースでは、手狭になってきました。そこで、2013年10月に全自動化ターミナルの設計が開始されました。

2015年1月に第1期工事が始まりました。翌2016年に完成し、全機器のテストを行いました。そして、2017年5月から、第1期2バースの運営が始まりました。このバースには世界最大級の24000TEU積みのコンテナ船が着岸することができます。

2017年5月11日、大型コンテナ船の「COSCO FRANCE」が、青島港の全自動コンテナ埠頭に着岸しました。この「COSCO FRANCE」の本船の積載量は1万3386TEUです。

COSCO FRANCE

Built year              2013

Flag                       Hong Kong

Gross Tonnage   157,000 トン

Capacity               13386 TEU

Speed                    23.62 ノット


青島膠州湾大橋

現在、青島港では、コンテナ船の大型化に対応し、港の近代化に成功しています。

世界のコンテナターミナルは、欧米諸国を中心に自動化技術の導入をはかっています。現在ではおよそ50の港が自動化されています。

代表的な港としては、ロッテルダム港、ロンドン港、バルセロナ港、ロサンゼルス港です。世界の港は自動化がこれから増々促進されていく状況にあります。

青島港前湾港区全自動ターミナルでは使用開始からわずか半年で、STS(岸壁クレーン)の1基あたりの1時間の取扱量が、39.6個という驚異的な数字を示しました。

第1期ターミナル(2バース)では、荷役作業をわずか9人の遠隔操作で行っています。同様の規模のターミナルでは、この3倍以上の人数が必要です。人員コストの低減化と安全性を確保することができる画期的なシステムです。

このシステムは複製化も可能であり、青島港モデルは中国国内だけでなく全世界への普及も可能としています。また建設費も海外に比べ、約65%のコストで建設できました。この技術水準の高さは世界に誇るものであり、今後中国国内でも一気に広がる可能性があります。

年間の取り扱い能力は520万TEUであり、世界の巨大船の24000TEU積みのコンテナ船の寄港が可能です。荷役機械はSTS(DT、ブーム長70メートル)24台、AGV(LIFT型無人搬送車)96台、ARMG(高速、200メートル/分)100台が配備されます。

青島港前湾港区全自動ターミナルの本格的な稼働に伴い、周辺のインフラ整備にも積極的な政策が執られ画期的な鉄道建設が行われようとしています。

新華社2020年11月18日の発表では、青島港の物流効果の向上と環境保護を目的とした新しいコンテナ輸送施設、スカイレールの建設を予定していると発表しています。

スカイレールは、青島港と中車長江車輌が共同で設計したもので、完成後はトラックに代わる港内の主要輸送手段となり、輸送時間や物流コスト、排気の削減が期待されています。

全長9.5キロメートル、第1区間は6月に利用開始、現在、このシステムにより、コンテナは直接コンテナヤードから乗せ換えなしで鉄道に接続できます。最も大きなメリットは、港湾事業と鉄道事業を組み合わせることにより、交通渋滞をなくし、安全に効率化をはかることができます。従来の鉄道輸送に比べて、この新システムは、コストの低減化を80%も達成できるとされています。全体の完成時には年間でコンテナ150万個の取り扱いが見込まれています。


青島港

青島港のコンテナの取り扱い推移

日本の国土交通省が発表した世界港湾別コンテナ取扱個数ランキングによれば、2019年の青島港の年間取扱量は、20フィートコンテナ換算(TEU=twenty foot equivalent unit)で、2101万TEUです。この数量は、世界で7位の取扱量です。

2010年から2019年までの青島港のコンテナ取扱量の推移は次の通りです。

青島港のコンテナ取扱量は、年ごとに増加しています。(数字は国土交通省の発表に基づき、1000以下を四捨五入しています)

2010年
1201万TEU
2011年
1302万TEU
2012年
1450万TEU
2013年
1552万TEU
2014年
1663万TEU
2015年
1751万TEU
2016年
1801万TEU
2017年
1826万TEU
2018年
1932万TEU
2019年
2101万TEU

2019年8月に山東省内の港湾運営会社の一体化をはかるため、山東省港口集団有限公司が成立しました。青島港集団(青島港・威海港)、煙台港集団、日照港集団、渤海港集団(濰坊港、東営港、濱州港)を傘下に置いています。

2019年の世界のコンテナ取扱個数ランキングでは、青島港は世界7位となりました。                 

                                   (単位 万TEU)   

上海                                        
4330
シンガポール
3720
寧波・舟山  
2754
深圳 
2577
広州    
2324
釜山
2199
青島
2101
香港
1830
天津
 1730
ロサンゼルス/ロングビーチ
1697
ロッテルダム
1481
ドバイ     
1411
 ポートケラン
1358
アントワープ  
1186
厦門
1112
高雄
1043
ハンブルグ 
928
タンジュンペレパス
908
大連
876
京浜(東京・横浜・川崎)
816

上海は10年連続の1位を保ち、青島は香港を抜いて7位となりました。

ランキングの上位が中国の港で占められており、世界の物流の中心であることが分かります。


第2章        青島港の全自動コンテナターミナル

【青島前湾コンテナターミナル(QQCT)】

青島港は中国北部山東省の沿岸部に位置し、「一帯一路」の玄関口として期待されています。「一帯一路」とは、シルクロード経済ベルトを目指す構想です。「一帯一路」とは中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東海岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」に沿った経済圏を作り上げようとするものです。今後、数十年をかけてこれらの地域に道路、港湾、発電所、パイプライン、通信設備などのインフラ投資、金融、製造、電子取引、貿易、テクノロジーなどの産業の育成を推し進めていく計画です。

その玄関口にあたる青島港は、2017年5月に全自動化ターミナルの稼働を開始しました。この全自動化ターミナルは、前湾港区にあり、青島新前湾集装箱码头有限公司が運営しています。

その主な特徴は次の通りです。

①  青島前湾コンテナターミナル(QQCT)は、24時間年中無休で運航しています。青島港は凍結しない自然な深海ターミナルです。

②  青島前湾コンテナターミナル(QQCT)は、青島経済技術開発区の税関保税エリアの隣にあり、青島市からは膠州湾高速道路で接続され、68キロメートルの場所にあります。

③  青島前湾コンテナターミナル(QQCT)は、済南~青島高速道路、煙台~青島高速道路、及び308国道との優れた道路アクセスを備えており、山東省の工業、農業の発展を促進しています。

④  青島前湾コンテナターミナル(QQCT)は、海岸沿いを南北に走る通山高速道路、東西に走る青蘭高速道路、ターミナル内の膠州・黄島鉄道などの交通網を持ち、後背地との接続が良好です。

さらに膠州湾の海を渡る橋と膠州湾の海底トンネルは、青島前湾コンテナターミナル(QQCT)と青島のダウンタウンとの距離を大幅に短縮しました。


青島港

【第1期ターミナルの概要】

第1期ターミナル(2バース)は、全長660メートルあり、STS(Ship to Shore) 7台、AGV(Automatic Guided Vehicles=無人搬送車) 38台、ARMG(Automatic Rail Mounted Gantry) 38台が配備されています。自動化荷役方式は、荷役機器のSTS、AGV、ARMGの全てに用いられ、完全に自動で行います。年間150万TEUの取り扱い能力を持っています。

運営開始当初は、最初に寄港した本船COSCO FRANCEで13,386TEUを揚げて、約4,000TEUを積み込みました。この本船では、1時間当たり26.1個の揚げ積みの作業をしましたが、将来、1時間に約40個を扱うことを目標にしています。今までのコンテナターミナルでは、60人近くの人数で行っていましたが、この自動化システムは、わずか9人の作業員による遠隔操作によって行われています。

【第2期・3期ターミナルの概要】

第2期ターミナル(2バース)は、2019年11月10日に全自動コンテナターミナルとして、稼働を開始しました。長さ660メートル、奥行き784メートル、広さは37万平方メートルあります。このバースには世界の巨大船も接岸可能です。STS 9台、ARMG 38台、AGV 45台備えています。年間取扱能力は、170万TEUとされています。

第2期と第3期の管理主体は、青島前湾コンテナターミナル(QQCT)が行っています。株主として、QINDAO PORT (GROUP) CO.,LTD.(31%)、ドバイポートワールド(29%)、COSCO PACIFIC (20%)、AP Moller-Maersk Group (20%)などによる合弁会社です。第2期と第3期のバースの数は11もあります。バースの全長は3400メートル、年間取扱量は650万TEUとされています。

【第4期ターミナルの概要】

第4期のQINDAO NEW QIANWAN TERMINAL (QQCTN)は、青島前湾コンテナターミナル(QQCT)が80%の権益を持ち、Pan Asia International Shipping Ltd. (20%の権益) の合弁事業です。2007年に建設を開始し、2009年に、10バースのうちの4バースが完成しました。バースの全長は、3408メートルになります。年間取扱量は、600万TEUです。

【青島前湾ユナイテッドコンテナターミナル】

青島前湾ユナイテッドコンテナターミナル(Qingdao Qianwan United Container Terminal Co., Ltd.)QQCTUは、コンテナの積卸し、車両の輸出入、その他大型貨物の取り扱い、輸送、保管などのターミナル業務、及び関連のロジスティクス事業を提供しています。最大水深は、20メートル、コンテナ積載量19870TEUの世界最大級のコンテナ船の取り扱いもできます。バース数は9バース、バース全長は3163メートル、ヤード面積は210万平方メートルあります。QQCTUは、青島港グループ、中国招商局グループ、ドバイグローバル、中国遠洋海運、APMターミナル、香港パンアジア(チャンロン)の合弁会社として、2009年12月に設立されました。


青島コンテナターミナル

次章は青島港各船社の利用状況を紹介いたします。

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