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【中国輸入ビジネス 入門】青島港の構成2

第3章 青島港の各船会社の利用状況

青島港は世界へ輸出される貨物の起点でもあり、また世界中から貨物が入ってくるゲートウエイ(玄関口)でもあります。次に主な船会社の青島サービスの利用状況をご紹介致します。

【青島港コンテナターミナルの主な船会社の利用状況】

青島港コンテナターミナルを利用する主な船会社をご紹介いたします。

(順不同、船社名は略称で示しています)

①   COSCO(コスコ)

COSCOの日本法人は、コスコシッピングライン株式会社です。

世界有数の規模を誇る海運企業である中國遠洋海運集團有限公司(コスコシッピング)のコンテナ船事業を統括する中遠海運集装箱運輸有限公司(コスコシッピングラインズ)の100%出資により設立された日本法人です。

COSCOは、日中航路、北米、ヨーロッパ、オセアニア、東南アジア、アフリカなどの地域を結ぶ定期コンテナ航路を展開しています。2016年に第2位の中国海運(集団)総公司(China Shipping)と合併し、総船舶数832隻となりました。コンテナ船はTEU換算で世界4位の規模となっています。

【青島・連雲港~日本サービス】

定曜日サービス

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   青島・連雲港から東京・横浜・名古屋への直行サービス

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週2便

連雲港(木)-青島(土)-東京(火・水)-横浜(水)

連雲港(金)-青島(土)-名古屋(火)

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   青島・連雲港・董家口から大阪・神戸・門司・博多へのサービス

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週3便

連雲港(VIA青島)(木)-青島(土)-大阪(月)-神戸(月・火)

董家口(金)-青島(土)-大阪(月・火)-神戸(火)

青島(土)-大阪(月)-門司(火)-博多(火)

②   SINOTRANS(シノトランス)

SINOTRANSの日本法人は、シノトランスジャパン株式会社です。

シノトランスは、主に海上輸送事業と物流事業を手掛けている会社です。シノトランスジャパン株式会社は、中国外運対外貿易運輸総公司の100%出資により設立された日本法人です。海運だけではなく、陸運や空輸のネットワークを持ち、世界的な物流サービスの提供をしています。

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   日本(関東)~連雲港・青島サービス   定曜日サービス*★*――――――――――――――――――――――――――――――――*★*

①   連雲港(金)―青島(土)― 名古屋(火)

②   連雲港(木)―青島(土)―東京(火・水)―横浜(水・木)

③   青島(土)    ―大阪(月・月)―神戸(月・火)

④   青島(土)    ―門司(火・火)―博多(火・火)


③   Jinjiang(ジンジャン)

Jinjiangの日本法人は、錦江シッピングジャパン株式会社です。

上海錦江航運(集団)有限公司の日本総代理店です。国際コンテナ輸送業務においては、多数の優良航路を持ち、ホットデリバリーサービス(HDS)と呼ばれる快速の揚げ荷役にも力を入れています。

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 青島~日本サービス 定曜日サービス

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①   青島(土)~博多(火)~青島(金)

②   青島(土)~大阪(火)~神戸(火・水)~青島(金)

③   青島(土)~名古屋(火)~青島(土)

④   青島(土)~東京(火)~横浜(火・水)~青島(土)

④   SITC(エスアイティーシー)

SITCの日本法人は、SITC JAPAN 株式会社です。

新海豊集装箱運輸有限公司(SITC CONTAINER LINES CO.,LTD)の日本総代理店として設立されました。

アジア域内専門の海上コンテナ専業船社です。現在、アジア域内で1000TEU~1800TEU型のコンテナ専用船を80隻投入し、63航路を維持しています。悪天候や港湾の悪条件をリカバリーすることに力を入れ、スケジュールの維持をはかっています。

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 日本~青島・連雲港・日照・石島サービス 定曜日サービス*★*――――――――――――――――――――――――――――――――――*★*

≪青島・連雲港~関西・九州サービス≫

①   連雲港(土・日)~青島(日・月)~大阪(水・木)~神戸(木)

②   日照(水・木)~青島(金・土)~大阪(月)~神戸(火)~堺泉北(月・火)

③   連雲港(金)~日照(金・土)~青島(土・日)~博多(月・火)~門司(火)

④   石島(月)~大阪(水・木)~門司(金)

≪青島・連雲港~関東・中京サービス≫

①   石島(水・木)~青島(金・土)~東京(火・水)~横浜(水)

②   連雲港(木・金)~青島(金・土)~名古屋(火・水)

③   連雲港(水・土)~日照(土)~青島(日)~東京(水・木)~川崎(木)~横浜(木・金)


⑤   CCL(シーシーエル)

CCLの日本法人は、中通遠洋コンテナライン株式会社です。新中通国際海運有限公司(NEW CENTRANS INTERNATIONAL MARINE SHIPPING CO.,LIMITED)の日本総代理店です。上海を起点に海上コンテナ輸送を専門とする海運会社です。2008年に青島―九州(門司・博多)航路開設を皮切りに、中国、上海、青島と日本各港を結ぶ定期航路を開設し、充実したサービスを展開しています。

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 青島・威海航路ダイレクトサービス 定曜日サービス

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≪青島~関東(東京・横浜)≫

青島の出港日は、土曜日(週1便)

東京の入港日は、火-火

横浜の入港日は、火-水

≪青島~名古屋≫

青島の出港日は、土曜日(週1便)

名古屋の入港日は、火-火

≪青島~関西(大阪・神戸)≫

青島の出港日は、土曜日(週1便)

大阪の入港日は、火-火

神戸の入港日は、火-水

≪威海・青島~門司・博多(週1便)≫

威海の出港日は、木曜日

青島の出港日は、土曜日

門司の入港日は、月曜日

博多の入港日は、火曜日

第4章        求められる高品質

【青島と日本の主要港の航海日数(Transit Time)】

青島港と日本をつなぐ定期航路の主な寄港地

東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、博多港などが主な寄港地となっています。

青島港からの所要時間は、それぞれの寄港地まで、直接航行する場合の日数は、どの船会社でも、おおよそ下記のようになっています。

それぞれの船会社の船のスピードには違いがありますが、船会社は、日本の港は公共バース(埠頭)を利用していることから、定曜日に荷役を予定します。港湾局では各船会社の荷役が重複しないように調整します。

出港
入港
所要日数
青島港
東京
直行で約3日
青島港
名古屋
直行で約3日
青島港
大阪
直行で約3日
青島
博多
直行で約1日

各船会社の船の速度は、最速スピードではなく、経済的に燃料の消費を抑えながら調整しています。定曜日サービスを守るために、悪天候などでスケジュールが遅れ気味の時は、速度を上げることもできます。

青島港は水深が深く大型船の着岸も可能ですが、日本の多くの港の水深は13~16メートルであまり深くありません。そのため、青島~日本の航路を航行する船の大きさは、1000~1500TEU積みのコンテナ船を使用しています。

また、航海日数を使わないように、寄港数も限られています。そこで、殆どの船会社は次のようなループで配船スケジュールを作成します。

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①   青島~大阪・神戸~青島

②   青島~東京・横浜~青島

③   青島~名古屋~青島

④   青島~博多・門司~青島

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全ての船会社のスケジュールがこのようになるわけではありませんが、なるべく航海日数が増えないように努力しています。

【正確な定曜日サービスとホットデリバリーサービス】

青島港と日本を往復する定期コンテナ航路では、主要港の公共埠頭にあるバースを利用しています。各港のステベドア(荷役のオペレーター)は、船が着岸したら、早く荷役を終了させるために、効率の良い荷役作業が求められています。

スケジュールを見た限りでは、どの船会社の船も同じに見えるかもしれません。しかし、コンテナ定期航路では、定曜日サービスをセールスポイントにしているところも多いのですが、台風や荒天のために、遅れることがしばしばあります。

貨物の多くは、工場に行く製品や部品が多いので、遅れが出ると生産に影響が出てしまいます。スケジュールの正確性は、船会社の選定には、最も重要なポイントとなります。

このような時にも、早期搬出が可能なホットデリバリーサービスは、タイムリーな荷渡しを可能にします。ホットデリバリーサービスの申請には、費用がかかるので、各船会社に確認する必要があります。

但し、荷役の開始時間と終了時間によっては、一括搬入と同じような時刻となり、搬出時間にあまり差が出ないこともありますので、常にホットデリバリーサービスを適用するかどうかは、荷役会社との打ち合わせが必要です。


【定曜日サービスを維持するために「抜港」をする船会社】

青島と日本という近い距離でも、船の遅れが出る原因として、気候の問題や、港の能力の問題があります。

日本の港は、一般的に大きくありません。増加する貨物量に対し許容量が超えてしまう場合があります。そのため荷役作業の遅れにより、スケジュールに遅れが出る場合もあります。

船会社は、遅れを取り戻すために、スケジュールを調整します。例えば、青島を出て、青島→大阪→神戸→東京→横浜→名古屋→青島という本船のスケジュールの中で、2日の遅れが出ているような場合、どのようにスケジュールを取り戻すかというと、神戸と横浜をスケジュールから抜いてしまいます。それを「抜港」と言います。そうすれば、船はもとのスケジュールの日程を取り戻すことができます。

この場合、神戸の輸出コンテナは、船社の手によって、大阪まで運び大阪で積むことになります。同様に、横浜の輸出コンテナは、東京まで運ばれ東京で積むようになります。

3日以上遅れる場合は、スケジュールの取り戻しは不可能なので、日本での荷役は輸入のコンテナ貨物だけ揚げて出港することもあります。その場合、船会社は輸出貨物のために、その代わりの本船を用意しなければなりません。その場合、別の船名になりますので、輸出許可証の訂正が必要となります。


【コンテナヤードのゲート前の混雑】

年末年始の休みやゴールデンウィークなど長期の休みが続く場合、定曜日サービスで、船は到着し大量のコンテナを揚げていきます。そのため、コンテナヤード(CY)には、大量のコンテナが滞留してしまいます。休み明けに、荷主側のコンテナの引き取りが始まりますが、すぐに大量のコンテナが引き取られるわけではありません。

また、ゲート前の混雑の問題も解消されていません。早朝にゲート前に並んだコンテナトレーラーが、コンテナを引き取るのに、半日も待たされることもあります。各港のオペレーターは、いろいろな改善策を出して、混雑解消問題に取り組んでいますが、日本の港湾の問題は限界に近付いているのかもしれません。

高品質のサービスを維持できるか

【コンテナの需給バランスの悪さ】

青島から輸入される貨物の量は、日本からの輸出の量の2~3倍の量があります。そのため、日本に空コンテナが滞留し、中国側に空コンテナが不足するという状態が続きます。

船会社は、これを解決するために、日本からの輸出船にできるだけ、空のコンテナを積んで帰ります。空コンテナを積む量が多いと採算が悪くなります。

【コンテナのコンディションの悪さ】

中国から輸入された実入りコンテナは、1週間から10日以内にコンテナヤードから搬出され、デバン後、空コンテナが帰ってきます。コンテナのコンディションは、E.I.R(Equipment Interchange Receipt)と言われる機器受け渡し証で、チェックします。

貨物の水濡れなどのダメージが発生した場合、E.I.R.のコンディションが重要となります。問題となるのは、スティールコンテナの劣化から起きる錆がもとで、コンテナの天井にヒビや穴が発生します。

日中航路で頻繁に起きる問題は、悪いコンディションの空コンテナでも、積地の荷主が、良いコンテナと交換をせずに、貨物をそのままバン詰めしてしまうことです。

船荷証券(B/L)の裏面約款には、悪いコンテナでも、そのまま受けてしまう場合は、荷主が承知の上で使うことを承諾していることになります。そういう場合、船会社はダメージに対する求償を断ることができる可能性が出てきます。

積地の荷主は、予定した時間内に作業を終わらせたいという事情があります。悪いコンテナであっても、時間に余裕がなく、トラック料金も余分にかかるので、良いコンテナに取り換えることをせずに、そのまま使用してしまうということがあります。

船会社も、空コンテナの需要が多いことから、中国サイドでコンテナの修理が間に合いません。多少のダメージがあっても、そのまま出してしまうことがよくあります。

それなら、日本で空コンテナの修理をすれば良いのではと考えますが、日本でのコンテナの修理代は、高すぎるという問題があります。

空コンテナのメンテナンスに時間を割くことができないというのが、各船会社の悩みの種です。コンテナを多く保有する大きな船会社にしても、必ずしもメンテナンスが万全とは言えません。船積みを開始する前に、輸入側の荷主は、積地の荷主との協議を十分に重ねて、安全な船積みを進める必要があります。

まとめ

「青島港の構成・各船会社の利用状況」は如何でしたでしょうか。2020年11月に、「2020年中国で最も幸せを感じる都市ランキング」で、青島市は第1位となりました。青島は、「一帯一路」という国際協力の新プラットフォームを構築し、国際都市として発展しています。青島市の幸せ度が増した原因は、大規模なインフラ整備、近代的な都市づくり、豊富な生産物、物流の大きさなど、都市の生活が豊かになったことが大きな理由です。このコロナ禍の中でも、幸福度が最も高い国は、世界27か国で中国が最高となっています。意欲に燃えて前進している姿は、頼もしいものです。この物流の大きな変革の波に上手く乗るには、物流のエキスパートであるエフシースタンダードロジックス株式会社にお任せください。