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【中国輸入ビジネス入門】はじめてのRCEP

今年1月に発効したRCEP。本ブログでは以前にもRCEPについて特集しましたが、
具体的にどのような条件で利用できるのかといった点については触れていませんでした。
今回は、実際に中国輸入でRCEPを利用する際の条件や注意点を簡単にまとめてみました。
制度の存在は知っているけれど、どのように活用するのか分からないという方もぜひご覧ください。

INDEX

RCEP利用 3つの条件

RCEPを含むEPAを利用する目的のひとつは関税の削減による利益UPですよね。 なので当然、RCEPの利用を検討する場合には、対象の貨物が関税削減対象品目であることが前提となります。そのうえで、さらに以下3つの条件を満たすことが必要です。

条件1:RCEP協定の『特恵税率』が設定されている

まずは輸入対象品目のHSコード(数字6桁)と統計細分(数字3桁)を確かめておいてください。そのHSコードをもとに、税関が公開している『実行関税率表』のRCEP欄に特恵税率が設定されているかどうかを確認しましょう。実行関税率表は税関公式サイトのこちらのページから確認することができます。https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm

なお、実行関税率は定期的に更新されるので、前回の輸入から期間が開いた場合には税率が変動している可能性もあります。

RCEPは取引相手国別に欄が分けられており、同じ品目でも異なる特恵税率が設定されている場合があります。
品目によっては特恵税率が設定されていないもの(税率の欄が空欄)もあります。
またRCEPについては、現在の実行関税率表では以下の3グループで分類されています。
・RCEP(アセアン/豪州/ニュージーランド)
・RCEP(中国)
・RCEP(韓国)

例えば、【HSコード620343(合成繊維製のもの)統計細分100(毛皮付きのもの)】のRCEP特恵税率は、相手国が中国の場合8.2%で韓国の場合は8.8%、アセアン/豪州/ニュージーランドの場合は無税と設定されています。

中国からの輸入では要注意!『HSコードのバージョン違いトラブル』とは?

中国からの輸入でRCEPの適用を検討している場合には、HSコードのバージョンに気を付けておきたいです。

HSコードはありとあらゆる製品に対して割り振られていますので、時代の変化と共に新しい分類を加えたり修正する必要があります。HSコードの分類改訂は、ほぼ5年ごとに見直しをすることが加盟国により合意されています。

HSコードの最新版は2022年版ですが、RCEP協定においては、現状では、2012版のHSコード(HS2012)に基づく品目分類番号を原産地証明書(CO)に記載することになっています。

通常は最新版のHSコードを利用することになっていますが、RCEPを有効にする場合には2012年版のHSコードを利用しなければならないという複雑な状況です。
そのため、中国では通関システムの仕様上、発給された原産地証明書の一部がHS2022に基づく品目分類番号で記載されてしまうというケースが確認されているとのことです。

もしRCEPを利用した輸入で通関書類にHSコードの相違があった場合、その相違がHSのバージョン違いに起因しているものであれば、修正をせずとも有効な原産地証明書として認められますので、日本税関に相談をすることが推奨されています。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/04/9913cc36a37887ec.html

条件2:『原産品』である

RCEP協定を締結した国からの特定の輸入品に対する関税を軽減する”というルールだけでは、品目によって関税率が一番お得になる国を経由させて特恵税率の恩恵を受けるという裏ワザがまかり通ってしまいます。

それを防ぐのが『特恵税率を適用できるのは原産品に限る』というルールです。

RCEP協定上の原産品と認められるためには、輸入する貨物について以下の3つの条件いずれかを満たしている必要があります。

原産品(原産地基準)とそのルールについては解説が非常に長くなりますので、本稿では簡単な説明のみにとどめ、別の機会にブログにまとめたいと思います。

⓵完全生産品
・全て生産・育成・採取のプロセスがすべて締結国内でされたもの

・果物、卵、石油など材料そのものが特定原産品であるもの

⓶原産材料のみから生産される産品

・生産に用いた材料が全てその国の原産材料である産品

⓷品目別規則を満たす産品

・RCEP協定上の原産品ではない産品を材料として使用しているが、品目別規則という規定を満たしているもの

条件3:『直接積送(積送基準)』を満たしている

RCEP締結国からの輸出後、貨物が日本に直送される場合には問題ないのですが、もし何らかの理由で第三国を経由する場合、輸入国へ到着するまでに『原産品としての資格を失っていないかどうか』の確認が必要となっています。

第三国がRCEPを締結しているかどうかにかかわらず、以下の2つの条件を満たすことが求められています。

⓵第三国において更なる加工が行われていないこと(※)
②第三国にある間、税関当局の監督の下に置かれていること
(※)物流に係る活動(例えば、積卸し、蔵置、当該原産品を良好な状態に保存するため又は輸送するために必要な他の作業)は除く。

また輸入申告に際しては、上記の要件を満たしていることを証明するため『運送要件証明書』の提出が必要です。

運送要件証明書とは?
以下のような書類がその役割を果たします。
・輸出締約国から第三国及び第三国から日本への運送関係関連書類(船荷証券等)
・倉庫の管理責任者等による非加工の証明書類
・税関監督下の倉庫への搬出入記録の写し 

まとめ

RCEPの特恵税率制度を上手く利用することができれば、これまで以上に利益を得られる可能性があります。

制度利用には様々なルールがあり、一見ハードルが高そうにも思えますが、海上速達便をご利用いただく場合には経験豊富な弊社の通関士がしっかりと皆様の輸入をサポートいたします。

RCEP利用を検討している場合には、お申込みの際にあらかじめお伝えください。

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