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実は難しい?!リチウムイオン電池を内蔵するアイテムの輸入

コードレス、ポータブル、ハンディ、モバイル 
かつて、大型だったり有線式の電源供給がないと使えなかったりと、なにかと制約の多かった電気製品も、いまや上述のフレーズを冠した『小型で』『持ち運び可能な『場所を問わず使える』ものがどんどん増えています。 
その電気製品の小型軽量化や無線化を可能にしたのが『リチウムイオン電池』の存在であると言われています。 

私たちの便利な生活に欠かせないものの一部となっているリチウムイオン電池。 
2019年には、吉野 彰さんがリチウムイオン電池の開発者としてノーベル化学賞を受賞し世界的に注目を集めました。 
さて、このリチウムイオン電池ですが、輸入貿易のシーンでも大変注目度の高いアイテムです。 
というのも、以下に挙げるような巷で人気の充電式の電気製品には、ほぼ蓄電池としてリチウムイオン電池が内蔵されているからです。 
以下に羅列した物品については特に、中国からの輸入販売を検討されておられる個人事業主の方を中心に、取扱可否のお問い合わせをいただく機会が多くあります。 

《リチウムイオン電池が使用されている電気製品の具体例》 
・スマートフォン 
・タブレット型携帯端末 
モバイルバッテリー(携帯充電器) 
デジタルカメラ 
・携帯ゲーム機 
・ハンディファン(携帯扇風機) 
電動自転車 
・電子たばこ 
・充電式電気シェーバー 
・充電式電動歯ブラシ 
コードレス家電 
>調理家電、マッサージ・美容家電など 

いずれも魅力的な商材ですが、これらリチウムイオン電池を内蔵した物品の輸入はみなさまの想像以上にハードルが高いものだったりします。 
その理由の筆頭に挙げられるのが 
リチウムイオン電池を内蔵する物品は国際海上輸送において
『危険品=DG/Dangerous Goods』として扱われる物だから 
ということです。 
国際海上輸送における危険品についてはこちらのコラム(https://d2dship.com/11-24-2021/)もご参照ください。 

【リチウムイオン電池内蔵商品は『危険品』!!】 
リチウムイオン電池は、その構造上、落下させる、何かが突き刺さる、形状が変わるほど押しつぶす、折り曲げるなど、電池の中の構造を破壊するような衝撃が加わることで、正極(プラス)と負極(マイナス)がつながり、ショートすることがあります。 
リチウムイオン電池がショートすると、瞬間的に大きな電流が流れるとともに激しい熱も発生します。 
リチウムイオン電池には可燃性の材料も使われているため、激しい発熱は同時に発火・爆発などにつながる危険性があるのです。 
 以上のことから、リチウムイオン電池、およびそれを内蔵する物品は、国連のガイドラインによって危険品とされています。 

 リチウムイオン電池(ワット時定格量が20Whを超える単電池又はワット時定格量が100Whを超える組電池)そのものは、国連番号(UN)3480の危険品に該当します。 
また、そのリチウムイオン電池が内蔵されている物品は『機器と同梱されているリチウムイオン電池』として国連番号(UN)3481の危険品にカテゴリされています。 

これら『危険品』として指定されている物品は、 
『危険物船舶運送および貯蔵規則、船舶により危険物の運送基準等を定める告示等』というルールによって輸送に利用する容器・包装の方法や、積載方法、品名・分類・危険性等の表示(ラベル)について厳密に規定されています。 
危険品は総じて、輸送手配は勿論、輸出入通関の難易度も高いです。 

【そもそもリチウムイオン電池ってなに?】 
まず、電池には大きく分けて2つの種類があります。 
一つ目が使い切りタイプの『一次電池』、そして二つ目が充電して何度も繰り返し使えるタイプの『二次電池』です。 
今までは『一次電池』、いわゆる使い捨ての乾電池が主流でしたが、最近ではその便利さとコストパフォーマンスの高さから『二次電池』が普及しています。 
この、『二次電池』に分類されるのが『リチウムイオン電池』です。二次電池には、ほかにも『ニッケル水素電池』や『ニカド電池』などがあります。 

『リチウムイオン電池』はその中でも耐久性に優れており、繰り返し充電による長期間の使用に耐えるものとして多くの充電式製品に採用されています。 
その高い耐久性から、医療用機器など、高い電圧を必要とする精密機器に使用されていることも多いです。 
また、原材料であるリチウム自体が比較的軽量であることから、携帯電話をはじめとする小型機器などにも重宝されています。 

ちなみによく『リチウムイオン電池』の略称と間違われる『リチウム電池』というものがありますが、 リチウム電池はリチウムを原料とした使い切りタイプの一次電池の名称で、リチウムイオン電池とはまったくの別モノです。 

 【『危険品』だけじゃない!『他法令』というハードル】 
また、上記にリストアップしているようなリチウムイオン電池内蔵の物品は、危険品であると同時に、輸入通関の際に『他法令』についての許可が必要なものもあります。 
他法令についてはコチラのページ(https://d2dship.com/09-08-2021/)もご参照ください。 

 マッサージ機器や美容家電は、『薬機法=医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)』 
食品が直接触れるような調理家電は、『食品衛生法』 
がそれぞれ関わる可能性があります。 

また、仮に輸入できても国内で販売できないといったトラブルにも備えないといけません。 
リチウムイオン電池の発熱・発火事故が多発する事態を受け、平成30年2月1日付けの経済産業省の通達改正により、ポータブルリチウムイオン蓄電池(いわゆるモバイルバッテリー)が『電気用品安全法』の規制対象となりました。 
現在は、輸入事業者等が国に届出を行い、技術基準等を満たしていることを確認し、 
PSEマーク及び届出事業者の名称等の表示した製品でなければ、国内で販売することは出来ません。 
モバイルバッテリー以外にも、電気製品を輸入するときは、電気用品安全法(PSEマーク)に対応しているかどうかは、まず調べなければなりません。 
またWi-Fi、Bluetoothなどの電波を出す機器は『電波法』の適合をしていなければなりません。 
そのほかにも 
・消防法 
・資源有効利用促進法 
など、バッテリー(=リチウムイオン電池)を内蔵した物品の輸入・販売については、様々な法令が複合的に関わっているケースが非常に多いです。 


輸入貿易の初心者にとってリチウムイオン電池内蔵の物品はハードルが高いとされる所以、ご納得いただけましたでしょうか。 
これから輸入・販売したいと思っている商品が、どのような手続きや書類を必要とするものなのか、そもそも日本に輸入できるものなのか。 
輸入貿易ビジネスの失敗を回避するためには、仕入を始める前にまず正しい情報を確認することが大事です。 
海上速達便をご利用いただく際も、まずは気軽に事前のお問い合わせをお待ちしております! 

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